管理栄養士による
すこやか栄養コラム

腸内細菌と食物繊維のお話 ~善玉菌を増やそう~

2017年10月31日(火)


上野動物園ではその愛くるしい姿が話題になっているジャイアントパンダの
シャンシャンですが、近年、パンダの消化管内から他の草食動物の腸管内に
生息しているのと同じ腸内細菌(セルロース分解菌)が発見され、
竹だけ食べていても生きていけるメカニズムが一部解明されたそうです。

私たちの腸内にも細菌がいることはご存知のことだと思います。
腸内フローラを特集したTV番組もずいぶん話題になりましたね。

腸内細菌、なんと100兆個以上、100~1000種類、重さにすると1~2㎏!

毎日活動、増殖していて便の約1/3は腸内細菌でできているそうです。

びっくりするほどの数と種類の腸内細菌ですが、
それぞれ働きによって善玉菌、悪玉菌、日和見菌と区別されています。

健康な人ではおよそ20%を占めているのが健康を増進させる善玉菌、
毒性を持ち体に有害な影響を及ぼす悪玉菌は5%以下、
残りの腸内細菌は両方の性質を持つ日和見菌だと言われていますが、
個々の腸内の環境によって増え方が違うようです。

例えば腸内細菌のエサになるもの、
すなわち私たちが食べたものによっても日々腸内の環境は変わってきます。

悪玉菌は主にタンパク質をエサにしており、
悪玉菌がタンパク質を分解するとアンモニア等、体に有害な物質を生み出します。
その中には肉類を多く食べた際の排便の強い悪臭の元や、
がんを引き起こす物質も含まれています。

一方、善玉菌が好むものはヒトでは消化しにくい水溶性食物繊維や、
オリゴ糖を含む炭水化物です。

水溶性食物繊維は、

大麦、ライ麦パン、ソバ、オクラ、カボチャ、ゴボウ、
インゲン豆、切り干し大根、ブロッコリー、ホウレンソウ、モロヘイヤ、
タケノコ、ヒジキ、サツマイモ、こんにゃく、納豆、小豆、

などに多く含まれており、皮の部分にも多いのでニンジンやリンゴなど
皮付きのままでの利用がおすすめです。

また、オリゴ糖は、

葱、玉ねぎ、アスパラガス、大豆、バナナ

などに多く含まれています。

善玉菌は腸内で体に有用なビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)や
短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸、プロピオン酸等)を産生し、脂肪の合成を調節したり、
血糖値の改善効果や消化管の粘膜免疫を高めて病原菌から守ってくれる
ということも解ってきました。

食物繊維の働きは、便通を整えて便秘を防ぐ上で欠かせないものです。
毎日の食卓で善玉菌を増やす食物繊維の多い食事をとることはとても重要なこと
ですが、メリットは多いものの、デメリットもあります。

根菜や豆類には不溶性食物繊維も多く含まれます。
過剰に食べると便が緩くなる方、また、高齢者で便秘のある方は腸の機能低下により
悪化する場合もありますので、気になる方は医師にご相談ください。

善玉菌を増やせる献立は特別難しいのものではありません。
炊き込みご飯にサツマイモや栗、秋鮭のホイル焼きにエノキ、シイタケ、シメジ等を
加えてみてはいかがでしょう。

ゴボウ、ニンジン、大根、サトイモ、こんにゃくを使ったけんちん汁や筑前煮は
食物繊維の多い献立です。

ハローウィンの季節ですからパンプキンサラダもいいいですね。

五目豆や切り干し大根の煮物、きんぴらなど、
おなじみのお惣菜も善玉菌を増やせる良い献立です。

デザートのヨーグルトには皮付きリンゴを添えることで更に善玉菌を増やせます。

食欲の秋、実りの秋。いろいろな作物が収穫される季節です。

いつもの献立に1品プラスで食物繊維を上手に摂って、
腸内環境を整えていきましょう!

(管理栄養士 田中佳代子)