管理栄養士による
すこやか栄養コラム

血糖値の上昇を緩やかにする食事のポイント

2014年06月30日(月)


健康診断の血液検査の中で重要な項目の一つに「血糖値」があります。
血糖値は食事を摂ると上がり、時間がたつと下がります。
血糖とは、血液中の糖のことで、血糖値とは血液中の糖の濃度のことです。
血糖値の高い状態が続き、一定の値を超えると血管が傷んで全身の病気へと進行
するため糖尿病と診断され、治療が必要になる場合があります。
糖尿病予防と糖尿病と診断された後の血糖コントロールのために大切な食事療法
のひとつに、『血糖値の上昇を緩やかにする食事を摂ること』があります。
そこで今回は食事のポイントについてお伝えしたいと思います。

1. 3食きちんと食べ、夜は食べ過ぎない

血糖値は生活リズムと大きく関係しています。規則正しい食習慣は、
食事の際に上がる血糖値の上昇を穏やかにするため、また血糖値の
高い状態が長く続かないようにするためにとても重要です。

例えば、朝食を抜くと空腹時間が長くなるので、昼食前には血糖値
が下がりすぎてしまいます。その状態で昼食を食べると、急激に血
糖値が上昇します。また、夕食をたくさん食べたり、夜食を食べた
後は、体を動かすことが少ないため、糖が消費されず、夜間に血糖
値の高い状態が続きます。夕食は軽めにし、寝る2~3時間前の食事
や夜食は出来る限り控え、糖分のない水分補給のみにしましょう。

2.バランスよく食べ、かつ食べる順番も意識する

食事にはさまざまな栄養素が含まれていますが、血糖値を上げやす
いのは糖質(炭水化物)です。糖質を多く含む食品は「ごはん・パン
・麺類・芋類やかぼちゃ等のホクホクとした野菜・果物など」です。
特に、おにぎり・パン・麺類だけの食事は糖質(炭水化物)に偏りが
ちになるので、たとえ低カロリーのものでも、血糖値は上がりやす
くなります。

一方で、一度の食事で糖質(炭水化物)・たんぱく質・ビタミン・ミ
ネラルなどを含むバランスのよい食事を摂ることで、血糖値の上昇
を抑えることにも繋がりますが、食べる順番も大切になってきます。

副菜(野菜料理)→汁物→主菜(おかず)→主食(ごはん・パン・麺類)
の順に食べると血糖値の上昇を抑えることができます。これは野菜
・海藻類・きのこ等に含まれる食物繊維が血糖値の急激な上昇を抑
え、さらに汁物を飲むことで、満腹感を与えるため、食べ過ぎを防
いでくれるからです。

これからの暑い季節には、ざるそばやそうめんなどが多くなりがち
です。そのような場合は、ねぎやキュウリ、わかめ、きのこ類、卵
等の具や肉や魚や豆腐などの小鉢程度のおかずや、サラダを添える
など、「麺だけ」や、おにぎりと麺などの糖質(炭水化物)の組み合
わせの食事にならないように気をつけましょう。
ただし、チャーシューや卵、エビ天等、具の量が増えると、その分、
カロリーがプラスされるので、体重増加の気になる方は、麺の量を
少なめにすることをおすすめします。

また野菜料理は生野菜にこだわる必要はありません。
生野菜は噛む回数が増え、満腹感を感じることができるというメリ
ットがありますが、加熱した野菜も、かさが減るため沢山食べるこ
とができるなど、どちらにもメリットがあります。

3.お菓子・清涼飲料水・お酒は量とタイミングと選び方が大切

ダメとわかっていても、なかなかやめることができないのが、お菓子
や清涼飲料水、お酒です。

お菓子は、少量で高カロリー・高脂肪のものが多く、かつお菓子に含
まれている砂糖(ショ糖)は主食(ごはん・パン・麺類)よりも血糖値を
急激に上昇させます。間食をする場合は、砂糖に偏ったお菓子よりも
果物やナッツ類を選んでいただくことをおすすめします。

また、夜寝る前の間食は、血糖の問題だけでなく、体重が増えやすく、
中性脂肪も上がりやすくなるので、日中に1品程度を目安にしましょう。

また飲み物は、清涼飲料水に限らず、野菜ジュースや果物ジュースでも、
糖質を摂ることになるので、できるだけカロリーや甘みのない飲み物
(水やお茶、ブラックコーヒーなど)を選ぶようにしましょう。

お酒は、食欲がでて、食べ過ぎになったり、血糖値も乱れやすくなる
ので、量や種類に注意が必要です。また糖質オフのお酒にもカロリー
はありますので、カロリー表示を確認し、飲み過ぎないことが大切です。

食事の回数や種類、食べ方によって、血糖値の上がり方や下がり方は変わります。
血糖値の上昇を緩やかにするような食事内容や食べ方は、糖尿病を予防するだけ
でなく、健康長寿にも繋がります。

ご自身やご家族の体を大切にするため、今一度食事について振り返り、
少しずつ出来そうなことを始めてみませんか?

(管理栄養士 柳生 奈美)