プロジェクト事例

県委託事業 医療・介護事業者向け在宅医療研修・アドバイザリーサービス

少子高齢化に伴い在宅医療のニーズが高まっている昨今、個別の医療機関や医療従事者のみならず、多くの行政や自治体も在宅医療提供体制の拡充に取り組んでいます。本稿では、メディヴァの在宅医療専門コンサルティングチームが県より委託を受けて実施した、地域の医療・介護事業者向け在宅医療研修・アドバイザリーサービスを紹介します。

この事業は、2017年度(平成29年度)から2019年度(令和元年度)にかけて、これから在宅医療(訪問診療)に取り組もうとしている県内の医療・介護従事者を対象に研修や個別アドバイザーサービスを提供し、在宅医療提供体制の整備促進を図ったものです。具体的には、以下のような内容の研修を実施しました。

1.座学研修

  • 毎年5会場×5回(各回2時間)
  • 目的:基礎から応用、実践まで体系的な知識の習得する
  • 在宅医療の背景と経営、在宅医療の実践、在宅医療における連携、在宅医療に必要な医学的管理(在宅医療の総論、緩和ケアの基本)

2.同行研修(希望者のみ)

  • 目的:現場を実際に見ることで、訪問診療のイメージを具体的に持つ
  • 県内で在宅医療を実施している医療機関の訪問診療に1日または半日同行し、実際の訪問診療の現場を見て学ぶ

3.アドバイザー派遣研修(希望者のみ:定員 20件/年)

  • 目的:医療機関や地域ごとの課題を解決する
  • 医療機関ごとの課題に対して、コンサルタントが課題を解決し、実践を促す
    (例)診療圏調査、集患対策、連携構築支援、手続きレクチャー

参加者の多くは、在宅医療に興味を持ち、必要性を感じている方々です。しかし、普段の業務の合間を縫って一から制度を学び、実践に向けた知識をつけていくことは、容易ではありません。また、在宅医療の開始と一口に言っても、外来診療との兼ね合いや人員体制、周辺の在宅療養資源によって必要なプロセスは大きく異なり、はじめの一歩を踏み出す前には、数々のハードルが立ち塞がっています。

本事業では、医師をメインターゲットとして研修を開催していますが、コメディカルや事務職にも広く参加を募っています。各医療機関から複数名参加されることで、皆が在宅医療に対して共通認識を持ったうえで、各医療機関として今後の方針について議論がしやすい環境を醸成できます。

また、個別のアドバイザー派遣においては、届出や診療報酬の算定についての相談から、複数医療機関で連携体制を組む際のルール作りといった発展的な内容まで支援しています。全体研修ではカバーしきれない、医療機関の個別性や地域性に沿った提案をすることで、より在宅医療の開始・拡充の実現可能性を高めることができます。

医師の働き方改革も叫ばれる中、在宅医療の提供体制拡充のためには、在宅医療の裾野拡大は避けては通れない課題です。1人の医師が24時間365日働き詰めで地域を支える在宅医療ではなく、10人の医師が交代で無理なく地域を支える、そんな在宅医療の提供体制をつくり上げるお手伝いを、これからも実践していきたいと考えています。

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