ヘルスケアの「明日」を語る

2014年の振り返りと2015年の展望

2015.01.04

新しい年が明け2週間が経ちましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
新年を迎え、心新たにさまざまなことに取り組んでおられることと思います。

今年、私は「やれることは、今すぐやる」ことにしました。
今までは、しばらく放っておくとやらなくて済むものあるので、「どうなるか、ちょっと様子を見る」ことにしていた仕事や家事がサクサク片付くのはいいのですが、やるべきことに対し、時間の総量が足らず、2015年の初月を半分すぎた時点で、すでにバックログが発生し始めています。
「うーむ、何かを削らねば、、」と思い、今のところ削られているのは愛犬ジンジャーの散歩時間です、、、。(ジンジャー、ごめん)

さて、年頭のご挨拶に代えて、簡単にメディヴァの2014年を振り返り、2015年について書かせてください。
2014年のメイントピックは何といっても春の診療報酬改定でした。当社の場合、クライアント先に在宅医療を展開しているクリニックが多く、どこも施設在宅の点数の大幅減によって大打撃を受けました。
施設在宅は、今後の高齢化社会の中で増える独居、老々・認々介護の高齢者と家族を支える非常に重要なセグメントであり、当社のクライアントの医療法人はどこも極めて真摯に施設における高齢者医療に取り組んでいたので、経済的な打撃もさることながら、精神的なショックが大きかったと思います。
しかも、データも揃え、議論も尽くして決めたなら、社会保険費用に充てる財源が逼迫する中、ある意味仕方がないのかもしれません。しかし、実際は不備なデータを基に一部の人の意見だけで「えいやっ」と決まってしまったことには驚愕しました。
その後、出された個別往診の救済措置も、不可解な制度で、不備の上に不備を重ねる施策には、大きな危惧を抱いています。ただ、この制度によって救済されたことも確かで、当社のクライアントの場合は、売上高の3分の2くらいをキープすることが出来、専門医が個別訪問をする方式により、患者さんの満足度は上がりました。

2014年の診療報酬改定は、病院にも影響を及ぼしました。大きな政策の流れとしては、地域連携、中小病院の統合に流れていくことは明らかで、それも背景として当社の病院向けコンサルティング部門への依頼は、昨年対比20%と急増しました。担当取締役の小松が上梓した「診療所経営の教科書」が、おかげさまで好評だったのも功を奏したかもしれません。手前味噌ですが、今までカンと経験でやってきた医療機関のコンサル業界に、カンと経験に専門的な経営能力を加えることが出来たのだと思います。当社への依頼には、地方で地域医療を支える病院が本当ににっちもさっちも行かなくなった、という危機的な状態のものが多く、抜本的な改革が求められます。過去の経験が活きなくなった時代は、カンと経験だけでは乗り切れません。
地域医療と言えば、地域包括ケアシステムの構築支援も都心、郊外、地方を問わずお手伝いしました。横浜市青葉区で、横浜市、東急電鉄、地区医師会等とともに構築している地域包括ケアの「青葉区モデル」は、東京大学IOGの辻哲夫先生にも、「郊外型の模範となる優良モデル」として、お褒めを頂き、柏プロジェクトのお手伝いもさせて頂きました。
他にもメディヴァの2014年を振り返るといろいろなトピックはあるのですが、長くなるので2015年について述べさせていただきます。

2015年は、引き続き、在宅医療のコンサル、医療機関のハンズオン型の再生や地域包括ケアシステム構築等には力を入れていきます。
一方、高齢化する日本を考えると、国内で「新しいヘルスケア関連サービス」を興すことと、海外へそれを展開していくことがメディヴァの使命ではないかと思っています。
昨年の診療報酬改定、今年の介護報酬改定を見ても、国のヘルスケアへの財源には限界があります。しかし、「健康で長生きすること」はすべての人の願いであり、今後その分野へのニーズは益々増えるでしょう。また、労働人口が高齢化し、全体としては減る時代には企業も真剣に健康経営に取り組まなければいけなくなります。
その中で、「新しいヘルスケア関連サービス」の事業機会が数多く生まれると思っています。医療保険、介護保険を使うものもあれば、自費と組み合わせるものもあるでしょう。
メディヴァの中でも、今まで高齢者を元気にするデイサービス「ぽじえじ」(介護保険適用)、腰痛などに治療効果のあるカイロプラクティック「スパイナルケア」(自費)、在宅ホスピスサービス(医療保険)、企業従業員向け疾病管理サービス(健保負担)などを立ち上げてきました。今年も、企業の健康経営を支援する産業保健サービスやメンタル支援サービスや高齢者向け住宅サービス等を立ち上げる予定です。

先日、鴨川で亀田総合病院の亀田信介院長にご挨拶した時、「鴨川で亀田は500人の医師を抱え、最高の医療を提供している。これは、料理でいうと『美味い出汁』みたいなもんだ。この『出汁』を使えば、高齢化社会に合う、いろいろな料理が作れるはず。是非、みんなに作ってほしい」と言われました。まさしくその通りで、良い医療、良い介護は料理の美味さを左右する『出汁』で、それを軸にして高齢化社会に合う、いろいろなサービスを作り、産業活性化を図ることが日本の再成長に向けた一つの方策だと思います。
メディヴァでは、亀田総合病院をはじめとして、お付き合いしている優良な医療機関、介護事業者と連携しながら、いろいろな美味しい『料理』(新しいヘルスケア関連サービス)を作るお手伝いをしたいと思っています。

この『料理』は国内だけでなく、海外でもニーズはあります。亀田総合病院の放射線科とイーク丸の内クリニックのオペレーションを『出汁』にした、「乳がん検診パッケージ」は昨年はミャンマー最大の都市ヤンゴンで運営を開始しましたが、その後、第二の都市マンダレー、ベトナム、ロシア等々で展開予定で、タイ、UAE、イラン、バングラディッシュ等からも医療サービスパッケージの引き合いが来ています。日本のメーカーの製造現場が世界に分散し、輸出量が減っている中、「医療・介護」を日本が輸出できる産業に育てることを目指しています。

さて、これらの事業展開やコンサルを支えるメディヴァの仲間ですが、昨年は社員数100名を越えました。まだまだ拡大予定なので、どうやって「メディヴァらしさ」を維持していくのか、が課題になりますが、もしもこういうことに興味がある方がいらしたら、是非話を聞きにいらしてください。単なる見学も含めて、オープンにウエルカムです!今年もどうか宜しくお願いします。

執筆:大石佳能子(株式会社メディヴァ代表取締役)